静岡市が市税や国民保険料の滞納対策の一環として、
多重債務を抱える滞納者に、弁護士や司法書士など専門家に債務整理の
相談に行くよう誘導する取り組みを始めた。借金を整理して生活を立て直した上で、
滞納分の支払いを求めようという試みだ。一人で悩む多重債務者の掘り起こしや、
滞納債権の徴収率向上が期待できそうで、研修などで市職員にこの方針を浸透させる。
静岡市の市税や国保料、介護保険料など61種類の債権の滞納総額は、
07年度末で約188億円に上る見込み。
4月には回収を専門に担当する債権管理対策課を新設した。
しかし、滞納者の中には、消費者金融など複数の借り先から借金していて、
「払いたくても払えない」状態の多重債務者も多い。
無理に回収しても生活が行き詰まり、再び滞納するケースが多い。
そこで、多重債務を抱える滞納者には、まず債務整理の専門家に
相談するよう促して、生活再建を優先してもらうという考え方が浮上した。
また、多重債務者は「グレーゾーン金利」で利息を払い過ぎている人が多く、
債務整理でお金が戻ってくれば、市と債務者本人の両方にプラスになる。
実際に、清水区では昨年度、滞納者の相談に乗る中で司法書士を紹介し、
債務整理をしてもらうと、3カ月で1000万円の過払い金が返還された。
その結果、滞納されていた市税20万〜30万円も納付された。
また、今年度に入っても同様の事例が4、5件あり、滞納債権が
150万〜200万円納付された。同区納税課の山本幸生・統括主幹は
「専門家に相談するよう誘導できれば、多重債務から救うことができ、
優良な納税者になる。親身になって相談に乗ることが大事」と話す。
今後は職員が滞納者に聞き取り調査などをを綿密に行い、
多重債務者だと分かれば、弁護士会や司法書士会から提供された
多重債務問題の専門家約40人のリストを基に、相談先を紹介する。
全国信用情報センター連合会によると、3社以上の金融業者から借り入れが
ある人は全国に約360万人おり、人口比で計算すると
静岡市には約2万人いると推計される。市役所が相談に誘導できれば、
多重債務者の掘り起こしにもつながる。
今月6日には、市職員向けに多重債務についての研修会を開催。
講師の青山雅幸弁護士が債務整理の方法や、過払い金の請求などについて説明した。
青山弁護士は「債務整理の方法が分からず一人で苦しんでいる多重債務者が多い。
行政の窓口で適切なアドバイスをし、相談に向かわせることは重要」と市の取り組みを評価している。
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