金融業界団体に07年度に寄せられた苦情約3万件のうち、
専門家による解決処理手続きに回った件数は1.2%の387件に
とどまっていたことが、金融庁のまとめでわかった。消費者保護の徹底のため、
金融庁は新たな法律の整備や監督指針の見直しを検討する。
99%の苦情が専門家による客観的な判断のないまま「解決済み」とされていた実態は、
17日に開かれた、消費者や業界団体、行政の代表らでつくる
「金融トラブル連絡調整協議会」で報告された。
銀行や保険、証券など18の業界団体に寄せられた苦情の総数は
03年度1万3742件だったが、保険業界の不払い問題を機に急増。
07年度には倍以上の3万1518件まで増えた。不払いに加え、
「強引に商品を売りつけられた」といった苦情も多い。
一方、業界団体が苦情に対応し、トラブルを解決するために弁護士
ら専門家でつくる「紛争処理委員会」などに回した件数は、
03年度からほぼ横ばいだった。
「相談」に位置づけていた申し出を「苦情」に分類するようになったこともあって、
苦情件数が約1万7千と最も多かった日本損害保険協会は、
0.1%しかトラブル解決のための委員会に回していなかった。
約1万件が寄せられた生命保険協会も、0.3%しか委員会に苦情を回していなかった。
連絡調整協議会の消費者代表は「トラブル処理の制度が機能していない」
と批判するが、損保協会と生保協会は「委員会に回す前に、
契約者との話し合いで苦情は解決している」と反論している。
全国銀行協会の場合、苦情件数は2174件だが、
弁護士会の仲裁センターに回したのは1件だけ。
同協会は「増やすよう制度を見直す」としている。
一方、日本商品先物取引協会は、業界の方針で苦情の6割超を専門の委員に回している。
消費者代表からは「自主努力に任せておくのは限界」として、
業界ごとに分かれている苦情の受付窓口の一元化など、
抜本的な改革を求める声も出ている。しかし、
一元化によって苦情処理への圧力が高まることを避けたい業界側は、
「専門知識のない担当者が幅広い苦情を受け付けると
十分に対応できない」などと反発している。
連絡調整協議会が今月にもまとめる報告では、
トラブル処理制度の運用内容を利用者の観点から評価できる仕組みや、
企業に積極的な対応を促すための法整備が必要との意見が盛り込まれる見通しだ。
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